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クラウドPBX比較11選を紹介|選定ポイント・デメリットも要確認

2023年3月31日更新

クラウドPBXとは、交換機をクラウド化し、インターネット環境下でビジネスフォンを提供するサービスです。

インターネット下では電話機能だけでなく、CRMなどビジネスツールやCTIの連携により電話の受発信データと業務データの統合も可能になります。

そこで、自分の会社に適したサービスや選択の際の注意点なども含めて比較ポイントを紹介していきます。

クラウドPBXとは?仕組みやできることをおさらい

PBXとは、「Private Branch Exchange」の略で、電話の内線・外線を関係部署に取次ぎ、転送するなどの機能を備えた構内交換機を言います。

クラウドPBXとは、この交換機をクラウド化したサービスです。クラウドPBXは社内に交換機を設置したり、電話線を引く必要がなく、インターネット上で内線・外線・転送などのビジネスフォン機能が利用できます。

したがって、交換機の設置のような初期投資は安価で、構築に時間がかからない特色があります。

登録した端末間の通話を内線扱い(電話料金無料)できたり、外線を転送できます。

社内のお問い合わせ窓口、コールセンター業務もテレワーク化ができるため、コールセンターの設置コスト低減や従業員の柔軟な働き方も可能にします。

クラウドPBXは以下のようなニーズが予想されます。

  • クラウドPBXに切り替え、運用コストや通話料金の削減を実現したい
  • 社内のPBXが老朽化し、これを機にクラウドPBXに切り替えたい、オフィス移転や新設・拡張などで電話ICT環境を見直したい
  • 電話業務をテレワークにしたい
  • 社用端末の貸与ではなく、従業員私物のスマートフォンを活用したい

導入前に比較しておきたいクラウドPBX8つの選定ポイント

クラウドPBXの導入は自前で交換機を導入しなくてよい、という初期費用の低さに目が向きがちですが、ICT環境に必要な機能、セキュリティ、サポート体制などを加味したランニングコストも考慮に入れましょう。

ポイント1.導入・ランニングコスト

クラウドPBXの料金体系は、概ね初期費用と月額利用料に分けられます。料金水準は利用するID数や回線数などに応じて設定されています。

特に、初期費用や基本の月額利用料などは低めに設定されていても、さまざまなオプションメニューがきめ細かく設定されているので、自社に必要なオプションを全て満たそうとするとランニングコストが高くなる、というケースもあります。

自社と似たタイプの企業の実績があるか、見合った料金設定かなど見極めましょう。

ポイント2.利用できる人数

クラウドPBXのサービスを提供する会社は、グローバル展開の大企業向け、全国展開の企業向け、あるいは単独拠点で少人数の中小企業向けなどさまざまなプランを用意しています。

自社でどれくらいの座席数、利用人数が必要なのかなど自社の企業規模などに適切なメニュー間で比較しましょう。

ポイント3.導入後のプランの柔軟性や拡張性

クラウドPBXを導入後に、自社のICT環境が変化する可能性も考慮に入れましょう。

例えば、事業が成長するので全国に拠点を広げたい、テレワークの導入を進めたい、BCP対策に備えたい、通信情報と顧客データベースを連携させたいなど、導入後に新たなニーズが発生した場合、候補とするプランがどの程度リクエストに柔軟に対応できるのか、また機能の拡張性があるのか、という点も比較ポイントとしては重要です。

ポイント4.サービスに含まれるビジネス機能

クラウドPBXにもさまざまな機能があり、各社ともそれぞれの特徴を打ち出しているので、自社にとって必要な機能を備えているかをよく確認すべきです。

例えば、従業員がプライベートで保有するスマートフォンにアプリをインストールするだけで、会社の内線・外線も利用できる機能は小規模の企業や外出の多い営業マンなどに必要な機能でしょう。

一方、アウトバウンドセールスなども実施したい場合は、セールスの記録をCMRと連動できるAPI機能などを活用すれば、分析ツールで効率よくセールスすることも可能です。

ポイント5.通話品質

クラウドPBXはインターネットを介して電話機能を利用するため、地下での利用や近隣に障害物などがあるような周辺環境では、音質が安定しない可能性があります。

例えば、テレワークのWi-Fi環境でのクレーム処理、アウトバウンドセールスなどで顧客との十分なコミュニケーションが必要な場合には留意しましょう。

ポイント6.ビジネスツールとのAPI連携の有無

API連携とは、アプリケーション・プログラミング・インターフェースの略で、ソフトウェアとWebサービスの間をつなぐインターフェースを指します。

例えば、コールセンターなどでは、お客さまとの通話内容をSalesforceに自動で記録するツールを利用して顧客管理を実施するケースがあります。

このように自社で利用している外部ツールと連携が可能かも確認すべきです。

ポイント7.サポート体制

クラウドPBXサービスのサポート体制も事前にチェックすべきポイントです。

導入時点では、研修などの支援、分かりやすい操作マニュアルの提供などが想定されます。

停電、通信障害など災害時も想定し、24時間365日体制で電話、メール、チャットなどの連絡が取れるか、中には110番や119番などの緊急通報ができないサービスがあるので、確認しましょう。

また、音声品質が良いサービスを選んでおくと災害など緊急事態が発生した場合でも安定した通信環境を確保できるでしょう。

ポイント8.セキュリティ対策や認証

クラウドPBXのセキュリティ対策は、一般的なインターネット環境におけるセキュリティ対策と基本的には同じになります。

したがって、自社のインターネットセキュリティ要件をクリアしているかを基準に考えましょう。

考えられるトラブルは、ネットワークへの不正アクセス、乗っ取りや不正使用、マルウエア感染、盗聴などです。

検討しているサービスが、ISO27001やプライバシーマークなど第三者認証を取得しているか、ウイルスチェック機能があるか、二段階認証ができるか、など確認するとよいでしょう。

徹底比較!おすすめクラウドPBX11選

ここでは、おすすめのクラウドPBXサービスの徹底比較をしていきます。特に価格(全て税抜表示)や機能特徴などを参考にしてください。

おすすめツール11種類の【比較表】

サービス名特徴初期費用月額利用料無料トライアル主な機能
クラコールPBX低コスト/基本的な電話機能無料1ユーザー980円~(6ユーザー以降無料・番号利用料など別途発生料金あり)あり/30日間保留・転送・発信番号表示・通知/非通知・自動音声など
トビラフォンCloud迷惑電話ブロック機能がある30,000円3,000円~あり/5日間国際電話、代表番号発信、スケジュール機能など
モッテル豊富な実績、BCPなど大規模利用に強み29,800円4,980円 / 20内線分デモ体験ありスマホ内線化、インターネットFAX、名刺管理、チャット、グループウエアなど
Arcstar Smart PBXドコモビジネスによる安定した通話品質10,000円契約基本料5,000円、1IDあたり500円あり/10営業日、20IDまでWeb設定、通話ログ、トラフィック収集など
BIZTELビジネスフォンSalesforceなど外部システム連携50,000円~21,000円~お問い合わせください自動音声通話が標準装備され、CMR・SFA・MAなど外部サービスとの連携やAPIとの連携も可能
モバビジNTTの回線利用で音声通話品質が抜群無料1台350円お問い合わせくださいスマホ内線化、着信優先、音声ガイダンス、クラウド電話帳、テキストチャットなど
Tramonecloud電話システム世界1位のAVAIA社と共同開発33,000円1ユーザー1,200円~あり/2週間、3ユーザーまで電話会議・チャット・Web会議からAPI連携など
iスマートBiz1台のサーバで数千台規模の社内電話システムをクラウドで構築お問い合わせください6,000円/1拠点、内線基本利用料1内線/300円あり(2週間)転送・保留・内線・ネットFAX・0120の着信課金など
03plus全国主要都市46の市外局番をオンライン取得可能5,000円980円~、1ID追加700円あり/0円スタートプランの場合内線・電話取次ぎ・迷惑電話着信拒否・端末電話帳の同期など
ひかりクラウドPBX「まるらくオフィス」も選択できるお問い合わせください10,000円~あり/2週間、30IDまでスマートフォン1台で3つの番号の使い分け
Dailpadビデオ、チャットやSalesfprceなど外部連携が可能お問い合わせください1ユーザー1,000円(スタンダードプラン)あり/30日間、15ライセンスまでビデオ通話、チャットなどのコミュニケーションツールの集約

おすすめ1.クラコールPBX(運営:株式会社三通テレコムサービス)

クラコールPBXは低コストで基本的な電話機能を提供してくれます。

初期費用は無料。月額利用料は1ユーザー980円で利用できます。そして6名以上は無料になります。したがって、月額利用料は最大4,900円です。利用人数が多くなるほど一人当たり月額利用料は安くなります。また、30日間の無料トライアルがあるので、お試し利用も可能です。※番号利用料など別途発生する場合がございます

基本機能として保留・ブラインド転送、任意の番号に保留、発信番号表示、発信番号通知・非通知、国際発信のON・OFF、スケジュール転送、オンライン転送、自動音声アナウンス(ビジー時、時間外、終了の各アナウンス)などがあります。

おすすめ2.トビラフォン Cloud(運営:トビラシステムズ株式会)

トビラフォンCloudは、専用アプリをインストールするだけで、ビジネスフォンの機能が利用できます。迷惑電話のブロック機能もついています。

料金は、2名で利用(2名で1つの番号を共有する場合)、初期費用は30,000円、月額利用料3,000円からとなっています。

基本機能として、内線・外線はもとより、国際電話、代表番号発信、スケジュール機能、非通知着信拒否、留守番電話、保留、自動音声などがあります。

NTTコミュニケーションズのIP電話回線を使用しています。

おすすめ3.モッテル(運営:株式会社バルテック)

モッテルは15年以上PBXの開発・販売・サポートを行い、27,000社以上の導入実績があり、小規模な事業者から、専用のクラウドPBXを利用する大企業まで幅広い利用シーンに対応できます。

スタンダードプラン(20内線)なら、初期費用29,800円、月額利用料は4,980円で音質や操作性を確認する無料デモも体験できます。

通話・保留などの基本機能に加えて、アプリによるスマートフォンの内線化、インターネットFAX、名刺管理、チャット、グループウエアなど多機能なサービスを提供しています。

全国各地専用のクラウドサーバーを設置しているので、大企業などではBCP対策にも有効です。

おすすめ4.Arcstar Smart PBX(運営:NTTコミュニケーションズ株式会社)

ドコモビジネスが提供するサービスで、外線通話とクラウドPBXの組み合わせなどが特徴です。

初期費用10,000円、月額利用料は1契約あたり5,000円の契約基本料に加え、1IDあたり500円です。無料トライアルは10日間、20ID分が利用できます。

機能的には、Web設定、通話ログ、トラフィック収集などが特徴的です。

Arcstar IP Voice(ひかり電話)など外線用サービスを組み合わせることにより、内線のみならず関係会社や取引先など外線通話も無料にできます。

NTTグループの提供するサービスでもあり、BCP対策として多くの自治体などで採用実績があります。

おすすめ5.BIZTEL ビジネスフォン(運営:株式会社リンク・ブライシス株式会社)

高い柔軟性と機能性を併せ持ち、高機能で最短5営業日で使用可能です。また、利用する回線数など必要に応じて料金設定がされており、拡張性が高いサービスです。

ライトプランの初期費用は50,000円、月額利用料は21,000円で最大40の内線番号が利用できます。

自動音声通話が標準装備され、CMR・SFA・MAなど外部サービスとの連携やAPIとの連携も可能(共にオプション)など設定料金の柔軟性や外部連携の充実など急成長なベンチャー企業などに採用実績があります。

おすすめ6.モバビジ(運営:クラウドテレコム株式会社)

IP電話の低価格さと固定電話と同水準の音声品質を可能とするサービスです。

無料の初期費用で導入が可能で、1台月額350円となっています。

NTT東日本・西日本の場合、電話番号の取得費用は無料で、複数番号費用、着信優先機能、音声ガイダンス利用などの無料機能があります。従業員の個人のスマホを社内通話でも使用する場合は端末の購入費用も不要になります。

クラウドテレコム社がクラウドPBXのサービスをNTT東日本・西日本の専用電話回線を活用し、パナソニックのIP電話機を組み合わせでIP電話と固定電話の「いいとこどり」を可能としています。

おすすめ7.Tramonecloud(運営:トラムシステム株式会社)

出荷台数世界No.1を誇るAVAYA社の電話システムと提携した高機能クラウドPBX。企業のさまざまなニーズに対応できます。

Essentialプランの場合、初期費用33,000円、月額利用料は1,200円ですが、Web限定キャンペーンが利用できる場合、初期費用は無料で月額利用料も初月無料になります。

内線・外線・転送などの電話機能、電話会議・チャット・Web会議などの利用からAPI連携まで幅広い機能を備えています。

また、グローバル標準対応で海外全て同じデバイスが設置可能、24言語対応、海外の言質回線も収容可能とグローバル大企業向けのサービスはAVAYA社提携のメリットです。

おすすめ8.iスマートBiz(運営:株式会社アイルネット)

数千台規模の社内電話システムを1台のサーバーでPBXを構成できます。したがって、専用サーバーでクラウドPBXを組むことも出来ます。サーバーを自社専用か他社と共用かの選択ができます。

初期費用は他のクラウドPBXとは違い、ゲートウェイ機器やサーバーが必要になる場合もあり、問い合わせが必要です。月額利用料は1拠点6,000円になり、内線1回線につき300円です。無料トライアルが2週間あります。

転送・保留・内線・ネットFAX・0120の着信課金などの機能が利用できます。

利用中の電話番号をそのまま使用でき、NTT、KDDI、ソフトバンクの全てに対応している点でユニークです。

おすすめ9.03plusエンタープライズ(運営:株式会社グラントン)

全国主要都市46の市外局番付きの電話番号を取得できるクラウドPBXサービスです。このため、別途固定電話などの回線料金はかかりません。

初期費用5,000円、基本料980円/月、700円/1IDからとなっています。10分かけ放題プランの場合は、月額基本料に1,000円追加になります。

内線・電話取次ぎ・迷惑電話着信拒否・端末電話帳の同期などの基本機能にオプションとして、自動音声応答などがあります。

スマートフォンにアプリをインストールするだけで、固定電話番号での発信ができるため、社用で固定電話と携帯の2つの番号を使う必要がありません。

おすすめ10.ひかりクラウドPBX(運営:NTTグループ)

NTT東日本・西日本が運営するサービスで、NTTの光回線を利用するため通話品質が優れています。NTTのフレッツ光など同社のひかり電話オフィスタイプの契約が必要になります。

初期費用は必要工事により異なるため、問い合わせが必要です。月額利用料は10,000円(10IDまで)となっています。

さらに「まるらくオフィス対応」(Wi-Fi環境、光アクセスサービス、情報セキュリティ、電話環境など社内のICT環境をNTTに委託するサービス)を利用する場合、月額利用料が10IDで、5,000円の追加になります。

2週間の無料トライアルもあります(30IDまで)。

ビジネスフォンに必要な機能に加えて、スマートフォン1台で3つの番号の使い分けができます。

おすすめ11.Dialpad(運営:Dialpad Japan 株式会社)

米国Dialpad社が提供するクラウドPBXサービスで、全世界で6万社を超える企業に導入され、日本ではソフトバンクが総代理店として提携しています。

スタンダードプランの場合、1ユーザー・ひと月あたり1,000円の月額ライセンス料となっています。30日間15ライセンスまでなら無料トライアルもあります。

スタンダードプランでは、標準電話機能に加えて、ボイスメールテキスト化・着信ルーティング設定・IVR設定およびビデオ通話、チャットなども充実しています。

Proプラン(1,500円/月)の場合、さらにSalesforce ・Zendesk の CRM が利用できるなど外部連携が充実しており、コミュニケーションツールとビジネスツールの集約化ができます。

クラウドPBX導入が企業にもたらすメリット

ここでは、クラウドPBXの採用が増えている理由について分析していきます。

多様なデバイスを内線化できる

私用のスマートフォン、PC、電話機、タブレット端末など多様なデバイスを内線化できます。クラウドPBXのサービス内の社員同士であれば、外出中でも、テレワークでも離れた支社・支店でも、さらに海外でも内線通話として利用できます。

また、チャットやグループウエアなども連携できるので、場所の制約を受けずに社内コミュニケーションがスムーズに行えるため、業務効率のアップが期待できます。

通信コストの見直しができる

クラウドPBXはPBXがクラウド化されているのが最大の特徴です。したがって、自社に必要な通信コストを負担すればよく、無駄なコストを削減できます。

従来のビジネスフォンと通信コストの比較

比較表クラウドPBXこれまでのビジネスフォン
設備不要。クラウド化PBX設備など導入
初期費用事務手数料などPBXなどを購入
電話加入権の取得
電話回線工事費
運用コスト月額利用料
外線通話料
PBXのメンテナンス代
外線通話料

自前のPBXへの投資が不要である点が最大のコストメリットになります。

外線通話料については、クラウドPBXなら、例えば、東京・大阪の離れた拠点間でも内線扱いとなるケースが多く、通話料金の削減に大きく貢献できます。

テレワーク導入時に活用できる

クラウドPBX内のセキュアなインターネット環境下にあれば、いつどこでも、さまざまなデバイスをビジネスフォンとして活用できるため、テレワークを導入しても従来の社内通信同様の活用が出来ます。

また、クラウドPBXサービスとCTI機能を連携させると、電話番号から顧客情報を管理できるため、自宅でインバウンドセールスなどのコールをして、顧客情報を他部署と共有するなども可能になります。

設定の変更が容易にできる

設定変更はクラウド上で行うため、これまでのように業者に依頼して、拡張作業を依頼する必要はありません。

また企業が成長し、拠点数・従業員数・通信量などが増加した場合でも、必要に応じた拡張手続きを行うだけで、新たにPBXの設置などの投資や工事は発生しません。

CRMなどの外部連携機能もクラウドPBXの導入後に必要に応じて追加・削除が可能です。

クラウドPBX導入で起こりうるデメリット

いくらコストが改善できる、業務効率が良いといっても、例えば電話番号を変更するとお客さまに迷惑がかかるなどいくつかのデメリットもあります。

通信音質がネット環境や提供元に依存してしまう

インターネット回線を利用した通信になるので、インターネット環境に音質が左右される可能性があります。

最近では非常に少なくなったと言われていますが、クラウドPBXのサービス提供会社のソフトウェアなどに不具合がある場合に通信が不安定になる可能性があります。

また、利用環境がインターネット通信が不安定な場合(建物の地下や近所に障害物がある場合など)も通話音質が低下しがちです。

110番や119番などに発信できない

クラウドPBXでは、110・119などの緊急通報ができません(一部のサービスでは利用可能です)。番号が050から始まるIP電話には位置通報提供機能がないからです。110や119では発信した場所を特定する機能がついているので、IP電話では対応できません。

緊急時には個人のスマートフォンを使う、「ひかりPBXクラウド」(NTTグループ提供)のような緊急通報に対応したサービスを選ぶ、などが考えられます。

対策3-3.相手の電話口の周辺の音にも気を配る

相手の電話口からザワザワと話し声が聞こえるケースもあります。コールセンターのアウトバウンドセールスからリストを見ながら一斉に電話セールスを行っている可能性があります。

この場合でも、早めに「ご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか?」などを質問し、早めに電話をクロージングに持っていきましょう。

導入時に電話番号を変更する必要があるケースも

サービス提供会社によりますが、現在の番号をそのまま使えるケース(番号ポータビリティが可能)と、使えないケースがあります。

NTTで固定電話番号を取得し、IP電話に対応している番号を使っている場合は番号ポータビリティサービスを活用してクラウドPBXに引き継ぎが可能なケースが多いです。

一方、固定電話番号がIP電話に対応していない場合は、引き継げないケースが多いといわれています。

どうしても引き継ぎたい場合は、事前にクラウドPBXのサービス提供会社に問い合わせが必要になります。

クラウドPBXで失敗しないために知っておきたい注意点

クラウドPBXはコストが安くなる、導入後すぐに使えて業務が効率化できるなどの側面ばかり見ていると見落としがちな点もあるのでご注意ください。

導入から利用開始までにひと月程度かかる

従来のビジネスフォンはPBXの購入や設置工事など利用の初期に時間を要するケースが多く、ひと月ほどかかるケースが一般的でした。

クラウドPBXの場合、既にクラウド上に電話システムが構築済みのサービスを利用するだけなので、申し込みから数日で利用可能になるケースが多いです。

しかし、専用サーバーでクラウドPBXを自社にカスタマイズするケースなどでは導入から利用開始まで時間を要するケースもあるので、事前にご確認ください。

規模や利用頻度によってはランニングコストが高い

クラウドPBXは導入時点で機器の購入・設置といった費用が発生しない分、使用する回線数などに応じた利用料金を払う仕組みになっています。

また、Salesforceなどビジネスツールとの連携、強固なセキュリティ体制、高い通話品質の確保などを優先するあまり自社専用サーバーの利用などのメニューを組むと月々に支払うランニングコストが高くなるケースもあります。

利用人数や利用したい機能の優先順位を決めるなど予算オーバーにならないように工夫しましょう。

クラウドPBX導入目的が業務効率化なら|電話代行も視野に入れよう

もし、優先したい電話環境が、電話の取次ぎ・転送や迷惑電話の対応などで業務に集中できないので業務の効率化を行いたい、というニーズの場合はクラウドPBXにこだわる必要はないかもしれません。

クラウドPBXでも自動音声通知や迷惑電話を着信拒否にする機能もありますが、電話番号が変更になるのは困る、ネット環境がよくない、ランニングコストが高いなどでクラウドPBXで導入を迷っている、そんな方は電話代行サービスも検討してみてはいかがでしょうか?

会社への着信電話をプロのオペレーターが受信して、必要な電話だけをSlack・Chatwork・Line WORKSやメールなどで担当者にお知らせします。

テレワークの環境下での会社への電話の対応に困っている、営業など特定部署への電話が集中する、業務効率化に積極的に取り組んでいるなどの場合は、fondeskがお役に立ちます。

まとめ

クラウドPBXは、従来のビジネスフォンをクラウド上の構内交換機を利用するIP電話です。スマートフォンやPCもアプリ一つで内線・外線などが使用でき、テレワークにも向いているなど非常に便利です。

一方、セキュリティ、緊急通報、従来の固定電話番号を持ち越せない場合がある、利用によってはコスト高になる場合もあるなどの留意点もあります。

必要な電話だけを取り次いでもらい、業務に集中できる環境を優先したい場合は電話代行も視野に入れてみましょう。

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